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【母畑温泉】
「八幡太郎義家伝説」
母畑湖の近くに位置し5軒の温泉旅館が湯けむりをあげる母畑温泉郷。
開湯はおよそ900年前の八幡太郎義家・奥州征伐の時代。傷を負った兵馬を谷川の清水で洗ったところ快癒したため、母衣(ほろ)と旗を立ててお祀りしたととか。
この「母衣旗」が「母畑」に転化したといわれています。
【母畑の三日湯】
「母畑の3日湯」という言葉があります。
昔から、この地の温泉に2,3日入ると体調が良くなると言われてきました。
北須川・今出川の2つの清らかな川に代表されるいにしえより連綿と続く、まだ何者にも侵されていない豊かで美しい自然のたたずまい。
そして、山間に住む昔からお湯を伝え、守り続けてきた人々の素朴な情。東北でも有数のラジウム含有量を誇る泉質もさることながら、
そうした美しい自然と豊かな人の心がこの地を訪れた人々の心と体の疲れを癒し、「母畑の3日湯」という言葉を生んだのではないでしょうか。
【ラジウムのお話】
石川町は阿武隈山地の南部に位置し、変成岩と花崗岩類の2つの異なる岩石が接する所にあります。そのため、大変複雑な地層構造をもち、ここから産する鉱物は、実に百種類を超えます。
昔から、岐阜県苗木、滋賀県田ノ上山とともに日本三大鉱物産地の一つに数えられ、放射能鉱物を数多く産出したことで世界的にも有名です。
そんな特異な地質が東北でも有数のラジウム温泉を生み出した背景にあります。
ラジウム温泉は通常、「弱放射能泉」と表示されます。そのラジウム泉はほとんどが低温で湧き出ているため、体温に近いぬるいお湯に長い間体を浸けていることになります。
その間に皮膚と呼吸器からラドン(ラジウムから放出される気体元素)を吸収して体調が良くなるというわけです。
ラドンを含む弱放射能泉は呼吸器障害や血圧の低下、糖尿病、リュウマチ、痛風、更年期障害等の改善に効果があるといわれ、昔から湯治場として親しまれています。